「ゴム製だから感電しないはず」――そう思って100均のゴム手袋で電気作業をしようとしていませんか?確かにゴムは電気を通しにくい素材です。しかし、その油断が思わぬ事故につながる危険があります。本記事では、家庭用の安価なゴム手袋に本当に絶縁性があるのか、そして安全に電気作業を行うためにはどんな手袋が必要かを解説します。絶縁手袋の購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
家庭用ゴム手袋でもある程度電気は防げるが安心はできない

結論から言えば、100均のゴム手袋にもある程度の絶縁効果は期待できます。ゴム自体が電気を通しにくい性質を持つため、小さな電流であれば手に伝わらない可能性が高いのです。実際、小さな電圧であればゴム手袋がバリアとなり、感電しないで済む場合もあります。ただし、だからといって「絶対安全」とは言えません。
ゴムは電気を通しにくい素材
ゴムの電気抵抗は非常に高く、人間の体や金属などに比べて電流が流れにくい性質があります。そのため、絶縁体(電気を通さない物質)として広く使われています。実際、電気コードの被覆や工具のグリップ部分などにもゴムやプラスチック製の絶縁素材が使われ、感電を防いでいます。
身近な家庭用ゴム手袋も素材が電気をほとんど通さないため、正しく使えば一定の電流を遮断できる可能性があります。ただし、どんなゴム手袋でも電気を完全に遮断できるわけではないので注意が必要です。
家庭用ゴム手袋は絶縁用に作られていない
市販の家庭用ゴム手袋(100均など)は、キッチンや掃除用に作られたもので電気作業を想定していません。当然ながら、パッケージにも「感電防止」や「絶縁」といった記載はなく、安価に大量生産されている分、電気的な安全性は考慮されていないのです。メーカーも絶縁性能を保証しておらず、こうした手袋を電気作業に流用するのは大変危険だと言えます。
メーカーは絶縁性を一切保証していない
家庭用手袋のメーカーは、その製品を絶縁用とは位置付けておらず、もちろん感電防止性能について公式に保証することもありません。例えば、家庭用ゴム手袋の注意書きや説明書きを見ても、「高電圧作業に使用しないでください」などの記載がある場合もあります。
また、仮に「家庭用手袋で電線を触ったけれど大丈夫だった」というケースがあっても、それはたまたま事故に至らなかっただけで、製品の安全性を示す根拠とは言えないでしょう。もちろん、そういった手袋を着けて電気に触れて事故が起きれば、それはユーザーの誤使用とみなされ、メーカーから保証や補償を受けることはできません。
耐電圧試験もピンホール検査も行われていない
家庭用ゴム手袋は製造時に電気的な検査を受けておらず、規定の電圧に耐えられるかを試す耐電圧試験や、電気的に危険と判断されるようなキズや穴(ピンホール)が無いか確認する検査も一切行われていません。そのため、電気絶縁的な欠陥があった場合でも、“作業用手袋”として問題がなければそのまま市場に流通してしまいます。
実際、外見は同じように見える手袋でも、運良く欠陥のない個体なら電気を通さずに済む一方、どこかに小さな穴が開いていたり劣化している個体では簡単に電流が漏れてしまう可能性があります。つまり、家庭用手袋で感電を防げるかどうかは運頼みであり、ユーザーはそれを事前に判別する手段がありません。
家庭用ゴム手袋を電気作業に使うリスクをまとめると、以下の通りです。
- 想定外: 絶縁性能は製品仕様に含まれず保証もなし
- 無検査: 耐電圧テスト・ピンホール検査は一切未実施
- ばらつき: 個体差や経年劣化で電気を通してしまう恐れあり
- 自己責任: 感電事故が起きてもメーカーからの補償なし
絶縁手袋は厳格な試験で信頼性が段違い


電気作業用に作られた絶縁手袋(絶縁用ゴム手袋)は、家庭用手袋とは全く異なる基準で製造・検査されています。電気を通さない性能が公的に保証されており、一つひとつの製品が厳しい試験をクリアしているため、その安全性は段違いです。つまり、最初から「電気を遮断するための手袋」として設計・管理されているため、使う側の安心感も桁違いと言えるでしょう。
高電圧試験と厳密な検査をクリアした製品だけを出荷
絶縁手袋は、出荷前に1双ずつ電気試験と目視検査にかけられ、基準を満たさないものは出荷されません。例えば、JIS規格に基づき所定の高電圧(低圧用でも数千ボルト)を一定時間かけて電流が漏れないか耐電圧試験を行い、問題がないことを確認します。さらに熟練の検査員による厳密な外観検査が実施されており、これらの試験にすべて合格したA級品だけが製品化されます。
参考までに、家庭用ゴム手袋と絶縁用ゴム手袋の違いを以下の表にまとめました。
項目 | 家庭用ゴム手袋 | 電気用絶縁手袋 |
---|---|---|
想定用途 | 家事・清掃など日常作業 (電気作業は想定外) | 電気作業の感電防止 |
絶縁性能 | ゴム素材由来で多少の効果はある (保証なし) | 規格で定められた絶縁性能を保持 |
検査体制 | 電気絶縁を想定した試験は一切なし | 出荷前に耐電圧試験・ピンホール検査を実施 |
品質管理 | 電気的な欠陥があってもそのまま販売される可能性 | わずかな欠陥もあれば不合格、A級品のみ出荷 |
家庭用手袋はNG!絶縁性能が保証された手袋を使いましょう
改めて結論を言えば、家庭用のゴム手袋を電気作業に使うのは絶対に避けましょう。たとえ厚手のゴム手袋でも、絶縁性能が保証されていないものを使うのは大変危険です。感電事故を確実に防ぐには、最初から絶縁性能が保証された電気用ゴム手袋を使うことが必要不可欠と言えます。安価な手袋で済まそうとせず、「安全には代えられない」という意識で製品を選ぶことが何よりも重要です。
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