4.ご存じですか? 使用者様の法的義務 ~定期自主検査~

存じですか? 使用者様の法的義務
~定期自主検査~

目次

定期自主検査とは

弊社製品の中で 定期自主検査:対象品 と表記されている製品は、厚生労働省の検定を取得しております。

これらの製品は労働安全衛生規則第351条(絶縁用保護具等の定期自主検査)の規定に基づき、ユーザーの使用開始日を起算日として6ヶ月以内に1回、絶縁性能を判定する定期検査を実施することが定められています。

(但し、購入後6ヶ月を超える期間使用しなかった場合は、使用する前に検査する必要があります。最後の使用から6ヶ月以上経過している場合も同様です)

該当製品は、詳細をご紹介しているページの上記赤枠の位置に表記しています。

弊社では定期自主検査の委託を承っております。
試験は弊社規定「絶縁性能委託試験基準」に基づいて実施しております。

ご依頼は、弊社オンラインストアよりお願いいたします。

定期自主検査対象品の例

高圧ゴム手袋
電気用ゴム長靴
高圧ポリフロシキ

使用電圧が交流で300V、直流で750Vを超える保護具・防具は定期自主検査の対象となります。

弊社では定期自主検査の委託を承っております。詳しくはこちらをご覧ください。

定期自主検査の起算日と期限の解釈

定期自主検査は、厚労省見解により「ユーザー様の使用開始日を起算日として6ヶ月以内に1度の実施」が原則ですが、ユーザー様の使用状況により、期限管理の解釈は若干異なります。

下記のパターンをご参照の上、運用に合った期限管理をお願いいたします。

どのパターンであっても、使用継続は検査に「合格」することが前提となります。不合格になった場合の新品交換に要する時間も踏まえ、余裕を持った運用が望ましいです。

パターン①

・特定の使用日が決まっていないユーザー様
・日常的に使用するユーザー様

保護具・防具を日常的に使用するユーザー様が該当します。また、使用頻度は少なくても緊急時に使用する可能性があるなど「いつ必要になるかわからない」ユーザー様もこのパターンに該当します。

例1 購入してすぐに使用を開始した
購入と同時に使用を開始した場合、購入日が起算日となりますので、購入日以降、6ヶ月毎に必ず検査を実施する必要があります。

例2 購入後、しばらくしてから使用を開始した
期限管理の起算日は「ユーザーの使用開始日」となります。購入から1ヶ月後に使用を開始した場合、購入日から7ヶ月以内に検査を実施し、そこから先は6ヶ月毎の検査が必要になります。

パターン②

・使用日が決まっているユーザー様
・使用頻度が少ないユーザー様

「使用する日があらかじめわかっている」「使用することになったが、使用する日まで日数に余裕がある」ユーザー様はこのパターンに該当します。

例3 最後の検査後、6ヶ月以上使用せず、9ヶ月後に使用することになった。
最後の検査から9ヶ月使用しなかった場合、6ヶ月経過時点で検査を実施する必要はありません。ただし、使用する前には必ず検査実施が求められますので、使用日が事前に把握できないユーザー様はパターン1の方法で運用してください。

例4 年に一度しか使用しない
年に一度しか使用せず(設備の年次点検など)使用日が事前に分かっているユーザー様は、使用する前に検査を実施すれば、6ヶ月経過時点での検査は必要ありません。ただし、長期間の保管で製品が経年劣化を起こすこともありますので、外観検査は適宜行っていただくことを推奨いたします。

パターン③

・購入してから6ヶ月以上使用しなかった

購入後6ヶ月以上使用を開始しなかった場合は、検査で製品の絶縁能力を担保してから使用を開始しなければなりません。

例5 使う予定で購入したが、予定がなくなった
使用予定で購入したものの使用機会がなくなり、10ヶ月が経過してからまた使用予定ができたなど、購入後なにかしらの理由で使用を開始しなかった場合のみ、このパターンが該当します。

定期自主検査に必要な設備等について

水中試験
気中試験

定期自主検査の検査方法は、検査品の種類により主に2種類あります。

a)水中試験
b)気中試験

どちらの試験も製品に規定の電圧を印加することで、使用継続に耐え得る性能を有しているかを判定します。試験を実施するには試験設備や治具など、さまざまなものが必要となりますが、これらを用意できる事業者は少ないのが実情です。

耐電圧試験に必要なもの

  • 耐電圧試験器
  • 試験用水槽  ※水中試験を実施する場合
  • 排水設備  ※水中試験を実施する場合
  • 試験用電極  ※気中試験を実施する場合
  • 配線
  • 接地設備
  • 保護具(ゴム手袋、ゴム長靴など)
  • 検電器
  • 高圧用碍子など  ※リード線を壁や天井に配線する場合
  • 安全装置(赤外線遮断器やフェンスなど、試験中の感電事故を防止する設備)
  • 回転灯などの危険標示器具
  • 試験実施に必要な場所

弊社では試験設備を持たないユーザー様のために「定期自主検査の委託」を承っております。

試験のご依頼はオンラインストアよりお願いいたします。

渡部工業は独自の検査項目でより確実に良否を見極めます

渡部工業では独自の検査基準を設け、定期自主検査の委託を承っております。

外観検査
耐圧検査

労働安全衛生規則第351条には、定期自主検査の実施内容として「耐電圧試験」のみが記述されていますが、弊社絶縁性能検査基準には「外観検査」が実施項目に含まれています。

耐圧試験は試料が通電(電圧破壊)することによって絶縁不良箇所を発見する優れた試験方法です。しかし一方で、“通電には至らないものの危険な状態”を発見することはできません。

そのため渡部工業では、電圧試験で発見しきれない不良についても目視で発見できるよう二重の検査項目を設けています。

  • 外観検査
  • 耐圧検査

上記を実施することで不良の見落としを最小限に抑えます。外観検査には熟練の検査員があたり、次のようなポイントを確認します。

  • ゴム表面の亀裂、キズ、ピンホールの有無
  • シート表面の剥離、キズ、沿面の溶着剝がれ
  • 変色、硬化、べたつきといった経年劣化の症状

外観上の異常は、製品の絶縁性能低下に直結する可能性があるため、細部まで慎重に検査を行います。
弊社に定期自主検査の委託をご希望される場合はこちらをご覧ください。

気中試験用電極について

高圧ポリフロシキなど、気中試験の対象品を検査する場合、試験品の形状に合わせた電極(印加用治具)が必要です。適切な電極を用いて試験をしなかった場合、印加するべき箇所に印加されなかったり、試験品を損傷させることがあります。電極は試料に密着し、沿面距離が正しく確保されたものをお使いください。

定期自主検査対象外品は試験しなくてもいい?

該当製品は、詳細をご紹介しているページの
上記赤枠の位置に表記しています。

使用電圧が交流300V / 直流750V以下の保護具・防具は労働安全衛生法第44条の2の型式検定外となり、定期自主検査の法的義務の対象ではありません。

ただし、使用状況や製品の劣化状況に応じて適宜交換いただくか、検査を実施していただくことを推奨いたします。

定期自主検査対象外製品の例

低圧ゴム手袋(薄手タイプ)
低圧絶縁衣
低圧シート(300V)

使用電圧が交流で300V、直流で750V以下の保護具・防具は定期自主検査の対象外となります。

弊社では定期自主検査の対象外品でも、お客様のご要望により試験を実施いたします。詳しくはこちらをご覧ください。

(参考)沿面距離 

耐電圧試験時は沿面リークを起こさないよう、慎重に治具をセットする必要があります。当社でもJIS規格を参照し、適切な沿面距離を確保してから試験を実施しております。

表A.1-沿面距離

試験電圧 kV沿面距離 mm
水中、気中試験の場合
3 以下30 以下
3 を超え 10 以下40 以下
10 を超え 15 以下50 以下
15 を超えるもの70 以下

※JIS T8010:2017(絶縁用保護具・防具類の耐電圧試験方法)付属書Aより引用

渡部工業では弊社製品の気中試験用電極の販売もいたしております。
詳しくは全国の代理店、販売店を通じてお問い合わせください。

定期自主検査委託のご案内

弊社では定期自主検査の委託を承っております。試験は弊社規定の絶縁性能委託試験基準に基づいて実施しております。
ご依頼は、弊社オンラインストアよりお願いいたします。

-ご依頼前に必ずお読みください-

委託試験品持ち込み時のお願い

・「商品納入明細書」を必ず添付してください。
・試験品についている付属品(ゴム手袋カバー・汗取り手袋・電気帽内装・収納ケース等)はすべて取り外し、試験が直ちに出来る状態でご送付ください。
・ヘルメットをご依頼される場合、内装は必ず取り外してください。弊社で内装の取り外しはいたしません。
・電気用ゴム長靴等で著しく汚れているものは、清潔な状態にして持ち込んで下さい。

お問い合わせ

製品・定期自主検査等のお問い合わせ
03-3541-3071(営業部)

その他のお問い合わせ
03-3541-6105(代表)

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